旅の後半に差しかかる頃、昼食に狙いを定めていた「うめもと」に向かいます。
人気店の混雑を考えるとお昼のピークタイム時間帯。
ここでの食事は、きっと“ひとつのハイライト”になる──
そんな予感を抱えて、店の戸をくぐります。
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🍤 穴子天丼との、贅沢な再会
「うめもと」さんに到着すると、すでに店内は満席。
観光中の大学生らしきグループが談笑していて、賑わいを見せていました。
幸い出張中のサラリーマンの方に相席をさせていただけることに。
「地元の方ですか?」『いえ、仕事で』「出張ですか?」『はい』
そうした簡単な会話だけ交わしただけ。
あとはサラリーマンの方が食べ終えて相席のお礼を伝えたくらい。
周囲では、牡蠣も入った3種盛りが人気の様子。
でも自分は、レビューを見て気になっていた穴子天丼を選択。
注文から1時間、ようやく運ばれてきた一杯は──

穴子天2本、エビ天2本という堂々たる構成。
ボリューム感も申し分なく、揚げたての香ばしさが湯気とともに立ち上がる。
付属の丼つゆをかけて頬張ると、甘めのタレが衣にじんわり染み込む。
気付けば“海苔ほしいな”と自然と思っていたところに、小皿の海苔の佃煮が活躍。
小豆島の佃煮文化の一端を垣間見た気がしました。
締めはそうめんの汁物。
優しい味わいが、満ち足りたお腹を心地よく落ち着かせてくれました。
1800円の贅沢──旅の中だからこそ許される贅沢。
その価値は、満腹という以上に「記憶に残る味」として刻まれました。
美味しい天ぷらと天つゆにご飯もっと欲しかったので
次に行ったら絶対にご飯大盛りにします。
🌊 希望の道と、現れなかった奇跡
食後は再び東へ。目指すは「希望の道」と呼ばれる場所。
東にある南風台に駐車して降りていきます。
希望の道は小豆島もう1つのエンジェルロードとも言われる存在。
タイミングが合えばこちらでも海に道が現れるという幻想的なスポットです。
ただ、この日訪れたのは、ちょうど昨日エンジェルロードを見たのと同じ時間帯。
案の定、海の道は姿を現してはいませんでした。

でも、そうであっても構わなかった。
「来た証を残したい」という気持ちが勝っていたので、波打つ浜辺に立ち、シャッターを切りました。
次に小豆島を訪れるときは、この“希望の道”が見られる時間帯に合わせて来てみたい。
カップルで賑わうエンジェルロードよりも、ソロ旅人ならこちらの方がゆっくり楽しめそうです。
🗿 ダイダラウルトラボウ、沈黙する巨人と海
再び車を西へ走らせながら、この日の残り時間とルートを考え始めていました。
既に当初の予定からは大きく外れていたけれど、それもまた一人旅の醍醐味。
自由と、少しの予測不能。それが旅の風景を豊かにしてくれる。
皇子神社へ向かう為に三都半島へと走ります。
そんな折、視界の先に突如として“巨大な何か”が飛び込んできました。
昨晩Googleマップで見かけたものの、その時は特別何も思わなかったアート作品。
それが「ダイダラウルトラボウ」でした。

想像を遥かに超えるスケールに、思わず車を止めてしまった。
「大きさって、それだけでアートになり得る」──この言葉が、実感をもって心に浮かぶほど。
静かに海を眺めている巨人。
その背中越しに海を見るのがまたイイ。
海を見ている巨人の背中越しに見る海は、ここでしか見れない特別な絵になる。

観光地というにはあまりにも控えめな立地。
でもだからこそ、訪れる価値がある。
写真では伝わらないこの空気感。
その大きさの前に誰しも足を止めたくなる場所。
メジャー観光地ではないから簡単には行けないかもしれない。
でも機会があったら行ってみてほしい。
次回へつづく、皇子神社と登る度に景色が変わる場所
次回は、天然記念物・皇子神社社叢の静けさ。
そして心がじんわり温まる景色との出会いへ。
まだまだ、小豆島の物語は続きます。
