伊勢神宮での参拝を終え、仲間たちとの時間もひと区切り。
そこから先は、再びひとりの旅人として過ごす時間でした。
外宮での静かな参拝、古びた店構えに惹かれて入った「若草堂」、
そして、夜の桑名をさまよいながら迎えた帰りのバスの時間。
旅の“盛り上がり”はすでに過ぎ去ったはずなのに、
むしろ心が深く沈んで、澄んでいくような──
そんな記録をここに残します。
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🌌 夕暮れの外宮へ、もう一度
内宮を参拝し終え、伊勢駅へ戻ってきたのが夕方。
時間に少し余裕があったので、改めて外宮を訪れることにしました。
昼間の賑わいが嘘のように、人の気配はまばら。
外宮→内宮の正しい順序ではなかったけれど、
「順番よりも、ナウオアネバー行ける時に行くことが大事」だと思えたのです。
奉納舞台はもう暗くてよく見えなかったけれど、
ガラス越しに見ることはできました。
次に来る時は外宮→内宮のルートで、明るい奉納舞台も見学したいと思います。

外宮の敷地も広く、できるだけ見逃しのないように歩き回った。
撮った写真みるとブレてるのもあって、夜間に手ぶれ補正効くスマホ欲しくなってる
今のは夜景モードで少し静止してないといけないから…
🏮 若草堂で出会った“今しか行けない店”
参道から伊勢駅へ戻る途中、ふと目に入った一軒の古びた建物。
Googleマップを見ると「若草堂」という飲食店らしい。
すでに時刻は18時すぎ。
閉店時間の19時前だったので、思い切って入ってみることにしました。
中に入ると、まるで昭和のまま時が止まったような空間。
おばあさんが1人で切り盛りしている、落ち着いた店内。

📝 このお店、いつまであるだろう?
外宮はきっと10年後も残っているけれど、
この店が10年後もここにあるとは限らない。
おばあちゃんの元気はもちろん、建物の老朽化や引退の可能性もある。
そう思うと、この旅で立ち寄れたことが本当に幸運に思えたのです。
注文したのは、牛肉丼と伊勢うどんのセット。
派手さはないけれど、まさに“家庭の味”という安心感で、体の芯から温まりました。

🚃 電車ダッシュと、優しさに触れた帰り道
店を出て外宮参道を歩いて駅へ向かいます。

伊勢駅へ戻り、桑名行きの電車を待ちます。
ところが──乗るホームを間違えていて、慌ててダッシュ。
どうにか間に合いましたが、旅の最後まで“やらかし”は続いていたようです。
各駅停車なので時間はかかったけれど、乗り換え不用便なので座っていられることがありがたかった。
スマホを開くと、Pくんからメッセージが届いていました。
💬今日はごちそうさま!たのしかった。ちゃんとバス間に合いそう?
その一言が、心にじんわりと染みる。
一緒に過ごした時間も嬉しかったけれど、こうして帰りを気遣ってくれることに、人の温度を感じました。
そして人付き合いが上手い、仕事できそうな人の対応をこの一言で感じる。
Pくんを見習って、MくんとOくんに自分も「今日はありがとう」とメッセージを送った。
人付き合いのセンスを持つ人を見習っていきたい。
🕰️ 桑名の夜、さまよう静かな時間
桑名に到着したのは夜。
バスの出発までは3時間以上ある。
ネカフェは40分ほど歩いた先にあるものの、
往復して30分しか休めないのなら、駅周辺で過ごす方が乗り遅れる心配がない。
帰りのバスだけは絶対に遅れてはならないから。
まずは「アピタ桑名店」へ。
21時45分まで営業していると知り、特に目的もなく入ってみる。
🧥 夜の寒さに備えて、ユニクロのパフテックジャケット(レディース)を着込む。
2024年モデル、メンズがなかったから一番大きなサイズを鞄に入れていた。
ちょっとぶかぶか。でも防寒にはちょうどいい。
次のシーズンにでもメンズが出たら買い直したい。
アピタを出て、Googleマップを参考に周辺を歩くと、
「駄菓子・まんが・ファミコンバー」という気になるお店を発見。

けれど、扉の前で既にカラオケの音が響いていて、結局入れず。
酒も飲まない、歌も歌わない、コミュ障気味な自分には、
怖気付いてしまったのです。
旅の醍醐味は、そういう店にふらっと入ることだとわかっていても。
まだ、その勇気を持ち合わせてはいなかった。
🌃 駅の明かりとスマホだけが頼りだった
深夜営業しているラーメンを食べる選択肢もあったけれど、
若草堂でお腹いっぱいだったので却下。
結局、駅の構内で風を避けつつ、スマホで時間を潰しました。
お酒が飲めれば居酒屋にも入れたのかもしれないけれど、
夜の街は、正月なのもあって一般的なお店が閉まるのも早い。
でも大きな駅は風よけになり、明かりとベンチがあるだけで救われる。
文明の利器・スマホも、こういう時はありがたい存在です。

🚌 帰りの夜行バスで、ようやく眠りに
出発時刻が近づき、バス停へ。
周囲には親子連れもいて、旅先での“背景の違い”を想像してしまう。
自分と同じように伊勢神宮へ弾丸初詣? それとも四国に帰省かな?
行きと同じ、トイレ前方の席。
今度は車内にうるさい咳の人もいなかった。
そして何より、睡眠不足だったので夜行バスでも眠れた。
気づけば徳島に入っていて、
周囲はまだ寝ている人が多く、降りたのは自分を含めて2人ほど。
🌙「旅の終わりには、やっぱり眠気が勝つんだな」と思いながら、
コインパーキングに戻り、静かな道を走って家へ帰りました。
🛁 家に帰って思ったこと
帰宅して、まずはシャワー。
歩きっぱなし、動きっぱなしだった一日。
夜行バスで仮眠は取れたけれど、やっぱり疲労は残っていた。
布団に潜り込んだ瞬間、心と身体が同時にとろけていくような感覚。
1月2日はもう何もせずに過ごすと決めて、
昼過ぎまでゆっくり眠りました。
🌀 夜行バスという選択肢について
今回、初めて夜行バスを使っての旅行だったけれど、わかったことがいくつかあります。
🌟メリット
- とにかく安い
- 弾丸旅行にはコスパが良い
- 睡眠時間を移動に充てられる
⚠️デメリット
- 眠れないとしんどい
- 咳や音など、乗客ガチャの要素あり
- シートはやはり“座席”、ベッドではない
📌 「選択肢としてはアリ。でも快適とは言えない」
それが率直な感想でした。
でも高速代金やガソリン代を考えると次も利用する選択肢になりえる。
夜行バスはそれほどコスパは良いです。
🌠 また伊勢に行こうと思えた旅
今回の旅は、
最初から完璧な計画を立てていたわけでも、
効率よく動いたわけでもない。
むしろ、やらかしや予想外の出来事がたくさんあった。
それでも──
✨“また行きたい”と思えたのは、
今回取りこぼした要素が確かにあるから。
次に伊勢神宮へ行く時は、
初詣ではなく、もっと静かな季節に、ゆっくりと訪れたい。
そんな風に思えた旅でした。