『超かぐや姫!』ネタバレ感想|二周目で刺さる伏線とパンケーキの意味

水彩タッチの背景に、中央に「超かぐや姫!/二周目で刺さる伏線とパンケーキの意味」と描かれたアイキャッチ
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冒頭にだけ、はっきり書きます。
この記事はNetflix映画『超かぐや姫!』の重大なネタバレを含みます。
未視聴の人は、先に観てから戻ってきてほしい。ネタバレなし初見で見る楽しみを捨ててはいけない。


目次

【TL;DR】この記事の結論(ネタバレあり)

  • 『超かぐや姫!』は日常の会話・小道具・言い回しが後半で回収されるタイプで、流し見が効かない。
  • 物語の芯は「ハッピーエンドがいい」ではなく、“自分でハッピーエンドにする”という姿勢にある。
  • パンケーキ(味覚・体温)が“幸福”の象徴として残り続けて、観終わったあともただの食べ物に戻らない。

【Key Facts】

  • 作品は仮想空間<ツクヨミ>が舞台で、分身で創作や配信を楽しむ世界。
  • 彩葉が“ゲーミング電柱”から赤ちゃんを見つけ、成長した存在を「かぐや」と名付ける。
  • かぐやの「自分でハッピーエンドにする」宣言が、“柱”として立ち上がる。
  • パンケーキは日常小道具から、味覚・体温の有無に直結する伏線へ変わる。
  • ヤチヨの描写(涙/デビュー曲の返答)が、二周目で意味を持つ。
  • クライマックスでは“主語が入れ替わる”ことで、物語が次の段階へ進む。

【Q&A】

Q1. 『超かぐや姫!』は流し見でも楽しめる?
A. 流し見するには勿体ないです。

Q2. 二周目で一番変わるポイントは?
A. ヤチヨの言葉・描写が“伏線”として立ち上がるところです。

Q3. パンケーキは何の象徴?
A. 味覚と体温、つまり「生きているリアル」を象徴するフックとして機能していました。

Q4. この作品の“核心”はどこ?
A. 「お話はもう終わり」から「まだ続きがある」へ、主語が入れ替わる瞬間だと書きました。


流し見を許さない映画だった理由

最初は「話題作だし一応見ておくか」くらいの気持ちでNetflixを再生した。
寝転がって、スマホでも触りながら…そのつもりだった。

でも『超かぐや姫!』は、もう序盤でスマホを机に置いた。
あっ、これまともに見たいやつだって直感した。
映像や音楽に引き込まれるのはもちろん、日常の会話・小道具・言い回し・何気ない表情
後半の“仕込み”として置かれている。
だから、ぼんやり観ていると見逃してしまいそうだ。

実はアニメ普段見ない、だから見てみるかってなった時点で呼ばれてたんだと思う
オリンピックの周期(夏冬の2年ごと)くらいで、そういうアニメ見るかってタイミングがある。

超かぐや姫は一度観て終わりじゃなく、もう一度観ることで再発見ができる
この作品の性格は、そこにあると思う。


『超かぐや姫!』あらすじ(ネタバレ最小)|現代の竹取物語はツクヨミで始まる

「作中に仮想空間がある<ツクヨミ>という。
誰もが自分のアバターで楽しむ世界がある。」

主人公の一人は女子高生の酒寄彩葉(いろは)
ある日、七色に光り輝く“ゲーミング電柱”から赤ちゃんを見つけ連れ帰ることに。

彩葉は現実的にちゃんと警察?に通報を試みるけれど、
「電柱が光って中から赤ちゃんが…」が、どう考えても頭おかしいと思われる会話になってしまい、
「今大丈夫になりました!」と電話を終了してしまう。

この瞬間の、物語でリアル対応をした時の行政との相性が悪すぎる感じが、もう笑うしかない。
そして赤ちゃんはすくすくと成長し、「かぐや」と名付けられる。
彩葉とかぐやはライバーとして活動し日常を重ねていくが、
竹取物語の骨格どおり、かぐやを迎えに来る存在が現れる。


「自分でハッピーエンドにする」宣言が“柱”になる

「重要なのは「ハッピーエンドがいい」という願いではなく、
“自分でハッピーエンドにする”という姿勢だ。」

序盤、かぐやが竹取物語を見たかぐやの感想がコレ

  • 「続きは?月に帰って終わり!?なにそれ超バッドエンド!」
  • 「決めた 自分でハッピーエンドにする!」
  • 「そんでハッピーエンドまで彩葉も連れてく 一緒に」

初見では勢いのある言葉に見える。
でも終わって見ると、これはもう、作品全体の背骨として置かれているのが分かる。

「良い結末が欲しい」じゃなくて、“結末を作る側に立つ”宣言。
その姿勢が、のちに別の人物へ受け渡されていく。そこが効く。


パンケーキの伏線(味覚と体温)が、あとから“冗談じゃなくなる”

パンケーキは何度か出てきて、最初は「日常のかわいい小道具」に見えます。
でも後半、パンケーキは“味覚”というより、もっと大きい意味を背負う。

ヤチヨとの合同ライブ前の会話が、あとから刺さる。

  • かぐや「練習しすぎてお腹空いた~終わったらパンケーキ食べよ」
  • 彩葉「緊張でご飯食べれんかったよ」
  • ヤチヨ「パンケーキいいな ヤチヨも食べたいなー」
  • かぐや「一緒食べる?」
  • ヤチヨ「よよよ~ヤチヨは電子の海の歌姫なので食べられないのです」

初見だとヤチヨのギャグ顔で軽く流れる。
でも見終わってからは、ここが冗談じゃなくなる。

電子の存在だから食べられないと聞いたかぐやが言った
かぐやえー!それ何の拷問!?かぐやだったら絶対無理~

パンケーキが食べられないのは、かぐやにとっては拷問と比喩するものだった。
当時は軽口に見える。
でものちにヤチヨの正体を知ったあと、これが“冗談ではない”言葉に変わる。

電子の世界では味覚がない、体温がない。
それは生きているのに“リアル”が欠けている状態だ。


初見ではヤチヨの涙が汗に見える→意味が変わる(二周目)

舞台挨拶でライブシーン『Ex-Otogibanashi』でヤチヨ涙の描写がナタリーレポートで触れられていた
山下監督が早見沙織さんの歌声に感情が乗っていたため、後から追加した描写だと話していたという。

正直初見では気づかなかった。
ヤチヨの直後にかぐやにも同じような“流れるもの”が描かれていて、汗表現に見えた。

でも「涙だ」と知った瞬間、あの一滴の重さが変わる。
それは、ライブ前のこのやりとりとも繋がる。

  • 彩葉「ヤチヨのデビュー曲ってもう歌わないの?」
  • ヤチヨ「あれはもう届いたからお役目完了ー」

初見だと「?」ってなる。
見終えた後だと、誰に届いたのかが分かる。
ヤチヨが届けたかったのは、彩葉だった。
そして歌詞「きっと永遠だった 逢いたいと願うまで そうよ私~」の箇所で涙を流すことで
どれだけ逢いたいと願っていたか舞台挨拶の話しで重みが増した。

裏話を聞かせてくれなかったら、自分は汗だなって二周目でも思ってた。


ヤチヨ=かぐやの真相(タケノコサーバー室と「八千代」の伏線)

物語後半で明かされるのは、ヤチヨの正体。
かぐやは月へ帰り、月で仕事をして引き継ぎを行い、再び地球へ向かおうとする。
月と地球では時間の流れが違うらしく
彩葉が老人になるほど大遅刻なので月の技術で時間逆行して地球に向かう
その途中で石(隕石?)にぶつかり、約8000年前の地球に到着する。

壊れた船の力で身体を得た犬DOGEことフシが外に出て現地の人々と交流し
宇宙船的な“タケノコ”は海底から回収され保管される。
かぐやはフシを通して外と交流する魂だけの存在になってしまった。
現代になり、かぐやはヤチヨとしてバーチャルに降臨しAIライバーとして彩葉と再会する。

そして「ヤチヨ」という名前。漢字にすれば八千代。
8000年という年月がそのまま名付けられてる。

現代でのヤチヨはアパートの一室で、水槽の中にタケノコがある状態。
ケーブルや機器の多さからまるでサーバー室。
普通のSFなら、水槽に脳が浮いているとか、AIコアがあるとか、そういう絵になる。
でも『超かぐや姫!』はタケノコサーバー室になる。
シュールなのに妙に納得してしまう。


VRバトルが見応えある理由|武器の設計でキャラが語られる

『超かぐや姫!』が“現代風”に見えつつ、ちゃんと燃える理由の一つがVRバトル。
リアル寄りの日常世界であの戦闘をやると浮くけれど、ツクヨミ内なら成立する。

しかも武器が、見た目だけじゃなく「戦い方」まで含めて“らしさ”が出ている。
こういうギミック盛りの武器はオタク大好き。

  • かぐや:竹を模したジェット付きハンマー(打撃時のブースト、空中移動の足場として使う動き)
  • 彩葉:キーボードを模したブーメラン(分離して双剣になり、ワイヤーで回収するギミックもある)
  • 帝アキラ:鬼アバターらしい金棒に仕込み刀。仕込み刀を使うときは右手が刀、左手は金棒が変形した銃で戦う

バトルはアニメの香辛料、入れ方が上手いと作品が際立つ

本作は見応えあるバトルがまた楽しい。

かぐやが月に帰る時も、ツクヨミと月が近いらしく
ツクヨミ内に月軍のお迎えがくる。

そこでかぐやを連れて帰らないよう
彩葉と友達、帝アキラ率いるブラックオニキスが月の軍団とツクヨミで戦う。

かぐやはライバー卒業ライブ中
彩葉たちはバトルしているという構造

月に帰ることも、彩葉たちの月軍たちとのバトルも
卒業ライブを見ている観客からすればライブ演出にしか見えない。
でも彩葉たちにとっては、まさしく別れであった。

元に戻る日常、彩葉が先生に進路希望書類を出し
ボロアパートへ戻りめでたしめでたしと出て、物語はそのまま終わるかと思われた…
そんな風に終われるわけないっしょと彩葉は引き返し
もうちょい迷いますと進路希望書を先生から取り戻す。


「お話はもう終わり」→「まだ続きがある」へ|主語が入れ替わる瞬間が核心

かぐやが帰って、話しが進むと彩葉はツクヨミでヤチヨ=かぐやと再会する。
8000年あったこと全部聞かせてという彩葉と
かつてのボロアパートを再現したVR空間で女子会
話の途中でヤチヨはスリープに入る。
その間に彩葉はフシから、かぐやの今までの歩みを見せられていく。

フシから受け取った情報閲覧から目を覚ました彩葉は、ヤチヨかぐやから声をかけられて目を覚ます。
そしてかぐやに抱きつく彩葉はこう話す。

私成長したよ お母さんとだって話せたし、かぐやがいなくたって十分ハッピーエンド。お話はもう終わり

かぐやが帰ったあと、母親との拗れも解消に向かい前に進めている。
十分かぐやがいなくてもハッピーエンドだと近況を伝えたと同時に
もうかぐやに過去の振り返りをさせないために、女子会は終わりだと区切った感じ。

話は終わった…そして彩葉は泣きながら言う。

「かぐやといたい」

十分ハッピーエンドだと言ったはずなのに、泣くほど欠けてる存在がいる。
それが、かぐや。
その涙で、まだ彩葉にとってのハッピーエンドでないことがわかる。

そしてヤチヨがこぼす。
「もうこれで終わってもいいって思ってたのに」
そして指と指を合わせる二人のサインをして、ヤチヨが彩葉の手に触れる。

「触れたらあったかいかなっていつも思うんだ…また彩葉といっしょにパンケーキ食べたいなぁ…」

このときヤチヨの目に涙はない。
でも衣装の胸元にあるメンダコの目が涙目になっている。
感情を“代理”に泣かせる演出が、また刺さる。

最後に彩葉が言う。

「わかった…まだなんだ、このお話にはまだ続きがある。
私、やりたいことができた!本当のハッピーエンドまで付き合ってよね」

序盤は「ハッピーエンドにする」の主語がかぐやだった。
後半は「本当のハッピーエンドまで付き合って」の主語が彩葉になる。
普通のエンドでいいと言っていた彩葉が、未来を作る側に回る。
この反転が、作品の背骨のように思える。


10年後のラスト|閉じないハッピーエンドが好きだった

10年後、彩葉はなんか開発者になってた。
彩葉が選んだ進路の目的、かぐやのボディが完成する。
リアルに復活したかぐやは久々の重力に「重~」と言いながら、二言目は「パンケーキ!」。

彩葉は言う。

「味覚はもうちょいお待ちあれ」

かぐやは返す。

「もぅ1秒だって待てないのにぃ~」

彩葉は涙を流さない。
でも、感慨深く泣きそうな目でかぐやを見つめている。

敵を倒して終わり、月と和解して終わり、再会して終わり、安易な結末ではない。
未来が続く余地を残している。だからこそ二周目見返すのが効く。


観終わったあと、休日にパンケーキを作った(味覚が現実に引き戻す)

風徳

見終えてパンケーキ作ってる自分がいる

パンケーキが、ただの食べ物に戻らなかった。
だから、自分も作ってしまった。

彩葉が作った粉と水のパンケーキよりミックス使ったからマシだけど、
今回はミルクじゃなく水で作ったから、次はミルクを買ってきて作ります。

観た後にこうしてちょっとした行動に影響してくる作品は良い作品。

それと、これも最後に触れておきたい。
今現在、ツクヨミをVRChatで創るためのクラファンが動いてる。
2/25の22時前 に見た時点で、目標額の 645%達成中 だった。
みんながリアルに何かしたい受け皿としてなかなか上手い。

これってオールインだから達成しなくてもプロジェクトは行われるやつだけど、
目的は資金集めよりも、参加型のイベントを提供してるんだと思うんだよね。
少額でも自分たちの課金で世界が作られるっていうか。

返礼グッズとかもグッズ単体で売るよりは支援入る分ちょいと高くなるけど
転売ヤーが買い漁ることなく、支援した返礼のグッズとかは届けられるから
転売ヤーにグッズ荒らされない良いアイデアの一つかもね。

(※達成率はタイミングで変わるので、気になる人は最新の状況を確認してほしい↓)
【超かぐや姫!】ツクヨミ感謝祭!みんなで仮想空間<ツクヨミ>を創って、かぐやとパーティしよう!

ちなみに公式ガイドブック欲しい~けど今は品切れみたい。
定価は3,300円だけど、品切れだから高値で出品してるとこが目立つね。
自分は急がないので増刷されるの待ちます。

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この記事を書いた人

考えたことや学んだことを、静かにまとめています。
派手な発信よりも、自分なりの気づきを大切に。
ブログは、思考の整理と記録のための場所です。

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