四国カルストへ向かう途中、偶然立ち寄ったにこぶち。夕方の静けさと、思いがけず出会ったリニューアル直後の姿を記録しておきたい。
四国カルストへ向かう途中、“軽い気持ち”でハンドルを切った
2025年11月12日。四国カルストへ向かう道すがら、ふと「にこ淵にも寄ってみるか」と軽い気持ちで車を走らせた。
にこ淵には行ったことがなく初めて向かう。
時刻は17時前。日は傾き、にこ淵の代名詞であるエメラルドブルーは完全には見えない時間帯。正直、“本命の時間ではない”ことはわかっていた。
だが、そこで出会ったのは まさかのリニューアルしていた“新生にこ淵” だった。
もちろんそれを知ったのは帰宅して改めて調べてであるが。
現地では「さすがは観光地、しっかり整備されてるなぁ」と思ってたくらいだった。

2024年10月のストリートビューには存在しないトイレ。帰宅後に調べたところ、2024年11月〜2025年2月にかけて観光庁のオーバーツーリズム対策事業の先駆モデル地域に選定され大規模整備が行われていたという。
まさに“偶然”が導いた、アップデート後のにこ淵だった。
「お金を落としにくい」観光地という現実
現地を歩いた時にまず感じたのは、観光客が寄り道して消費する場所が少ない ということ。
売店なし(自動販売機はあるが)
カフェなし
みやげ店なし
道沿いの集落は生活圏だけ
喫茶店のような店はGoogleに存在だけ載って営業時間など情報ゼロ
唯一“立ち寄れる場所らしい場所”といえば、だいぶ手前の 道の駅 633美の里 だけ。
にこ淵は有名観光地でありながら、周囲には商業施設らしいものがほぼ存在しない。そもそも寄り道が発生しづらい地形のため、“お金が落ちる”サイクルが作られにくい。
にもかかわらず観光客だけが増えていく。いの町の公式資料でも、その課題が指摘されていた。
2024〜2025年にかけて、行われていた大規模整備
帰宅後に確認した資料によれば、にこ淵周辺では以下の整備が実施された:
- 新しい「ゆるやか遊歩道」の新設
- 旧ルート(健脚向け)と新ルートの2ルート化
- ビューポイントの設置
- 公衆トイレ新設(ユニバーサル対応)
- LED満空サイネージによる駐車場混雑の可視化
- AIカメラによる車両台数管理
- 誘導員負担の軽減
- 周辺の地域情報を発信するサイネージ
工事期間は 2024年11月中旬〜2025年2月末。
わずか3ヶ月半という短期間で山間部の大規模整備を完了させている。
さらに、2025年11月〜12月には駐車場舗装工事が予定されており、これでにこ淵リニューアルの最終段階に入る形となる。
自分が訪れたのは、その最終仕上げの直前だった。
夕方のにこ淵はブルーが閉じる時間。それでも良さがあった
訪れたタイミングは17時前。光が届かず、にこ淵の色は肉眼ではほぼ判別できない状態だった。
だが、その時間にはその時間なりの“良さ”があった。

観光客はほぼ帰り支度
最後の数人が去ると完全に無人
滝の音だけが反響する
空気が冷えて透明度が増す
観光地ではなく“自然そのものの姿”に戻る
青を目的にすると外れ時間帯だが、静寂を味わうにはベストのタイミングだった。
将来的には駐車場の有料化もあり得るのだろう
今回の整備内容や地形的背景、そして周辺の商業が成立しない条件を考えると、今後にこ淵で現実的にマネタイズ可能なのは 駐車場のみ だと感じた。
自然観光地は天候や時間に左右されるため、入場料は取りづらい。
だが、駐車場は提供価値が安定している。
おそらく、エンジェルロードの例のように:
近い駐車場:有料
遠い駐車場:無料
という“選べる二段階方式”がもっとも自然だと思う。
観光客側としても、選択肢が残る方が満足度が高くなる。
まとめ:自然が主役の場所だからこその難しさ
今回の旅で感じたことは、大きく2つある。
自然そのものの美しさは、条件が揃った時にだけ姿を見せる。
だからこそ、観光地としてのマネタイズが非常に難しい。
夕方に訪れたため、エメラルドブルーは見ることができなかった。
しかし、整備されたばかりのにこ淵を歩き、その静寂を味わい、帰ってから資料を読むことで“この場所がどれだけ慎重に守られているか”を深く知る旅になった。
次はぜひ、光が差し込む午前中に訪れたい。
