二日目の朝。車内泊の寒さに目を覚ましながらも、少しずつ体が動き出す。
まだ誰もいない朝の空気をまといながら、小豆島での二日目が始まった。
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🌿 朝の風車と、ほのかなオリーブの味
朝7時ごろに目が覚めたものの、寝袋があってもやはり寒くて動く気になれない。
8時になってようやくエンジンをかけて車内を温め、少しずつ身支度を整えていく。
ひと息ついてから向かったのは、昨日も訪れたオリーブ公園の風車。
この時間帯なら、観光客の姿もなく、静かな風景を独り占めできる。

まさに、車中泊ならではの特権かもしれない。
そして、道の駅で販売されていた限定ソフトクリーム—— 『オリーブオイルかけてみました(550円)』を購入。

その名のとおり、まさにオリーブオイルがかかったソフトクリーム。
甘さの中にほんのりと感じるオリーブの風味。
カップソフトクリームにオリーブオイルかければどこでも再現できる気もするけれど
これはオリーブの小豆島で食べるからこそかもしれない。
せっかく来たのならご当地ソフトクリームとして食しておくべきだよね。
🚗 思いつきの出発と、大樽に切り取られた海
ソフトを食べ終えたのは9時半ごろ。
昨日の夜に考えていた予定はここで破棄。
気ままな気分に従い、行き先は映画村方面に決定。
こういう柔軟な判断ができるのも、一人旅ならではの魅力。
向かう道中には、対向車がすれ違えないような狭い道も。
観光客が多い季節には、タイミングによってはちょっとした難所になりそう。
今はまだ朝方ということもあり、すんなりと進むことができた。
途中で目に留まったのが、巨大な大樽がふたつ並ぶスポット。
せっかくなので車を停めて立ち寄ることに。

中はベンチのように座れる構造になっていて、 そこに腰掛けてみると、大樽の丸い縁がそのまま視界を切り取る額縁のよう。
「これは……予想以上に感動的だ」
しばらく座ったまま、無言でその景色に見入ってしまった。
写真を撮るだけで通り過ぎることもできたけれど…
こうして心に響いた風景には、時間をかけて向き合いたくなる。
🏫 二十四の瞳 分教場で味わう、無音の記憶
さらに進むと、映画村の手前にある『二十四の瞳 分教場』へ。
ここは実際に使われていた小学校の跡地。
残念ながらこの日は「二十四の瞳館」は定休日だったが、 分教場は営業していたのでひと安心。
チケットは、映画村と分教場のセットで950円(冬季のC期間料金)。
中に入ると、教室や黒板、机を見ると時代の空気を残そうとする空間が広がっていた。

観光客の姿もなく、ここでもひとりの時間をゆっくり堪能。
木の床を踏みしめる音、静かな窓辺の光。
ノスタルジーに包まれたこの空間は、 単なる観光地というよりも、記憶の奥に触れる場所だった。
次回につづく、目的地の1つ映画村そしてサイダーとご当地ソフトクリーム
次回は──『二十四の瞳』映画村の世界、 そして塩気と甘さが交差するご当地グルメとの出会いへ。
静かな時間が終わり、少しずつ“旅のにぎわい”が戻りはじめる──🍃
