昼食にありつけず彷徨った午後…不安が入り混じるなか、ようやく出会えた一杯の丼。
そして、東の果てで静かに回る灯台。
夜を迎える頃、旅は静寂とともに“寝床となる拠点”へと戻ってくる。
🍚 食事難民からの脱出、ネギ豚丼との出会い
空腹は、想像以上に旅の気力を削ぐ。
昼を食べ損ねたまま、時間は夕方。
Googleマップを頼りにお店を探すが…
「営業時間より早めに閉店」「定休日じゃないけど営業してない」「業態が変わった」……。
次第に“食事難民”という言葉が脳裏に浮かぶ。
そんな中、見つけたのはラストオーダー18時半で19時閉店のレストラン。
ギリギリのタイミングで入店し、注文したのは「ネギ豚丼」。

卵も乗っていて、しっかりとした味。
「こういうのでいいんだよ」感に包まれ、体の芯から満たされていく。
注文した後でメニューをよく見ると、大盛り無料だったことを知る。
朝昼晩兼用なら大盛りは望むところだったのに惜しい。
それでも、空腹の旅に差し込んだ一筋の光だった。
🕯 東の果て、大角鼻灯台へ
食事を終えたあと、まだ完全な日没前。
目的もないまま、なんとなく「島の端まで行ってみよう」と思い立つ。
目指すのは小豆島の東端「大角鼻灯台」。
Googleマップを頼りに進むものの、道は分かりにくく細い。
「本当に合ってるのか?」と不安になりつつも、静かな道を進んでいくと──
やがて視界に白い灯台が現れる。

午後に降った雹の名残が山の中にはまだ残っている。
ここは明確な観光地ではない。
小豆島を真に一周する人、車よりもバイクや自転車で訪れる人くらいだろう。
この静寂と灯台の灯りに触れたことで、 「今回の旅は小豆島を一周しよう」
結果的にそう思う切っ掛けになってくれたことは確かだと思う。
🌌 誰もいない夜の風車、眠りの拠点へ
灯台から道の駅オリーブ公園へと戻る。
日が落ちて、あたりは夜の景色へと変わっていた。
車中泊の場所としては、下段の駐車場を利用。
街灯もあり、すぐ上には清潔なトイレがあるのがありがたい。
道の駅の建物内のトイレは閉まっているとしても
公園としてのトイレが存在しているのに感謝。
風車はライトアップされ、昼間とはまた違う表情。
観光客の姿もなく、平日の夜はひっそりとしている。

明るい時は多くの人で賑わったこの場所も、
夜になると独り占めのような静けさが漂っていた。
風車を眺めながら、車に戻って明日の予定を考える。
決めすぎない旅だからこそ、こうして“流れ”のなかで次を見つけていけるのだろう。
次回につづく──分教場と映画村、旅の始まりに出会う“懐かしさ”
次は2日目の朝──。
昭和の面影が残る二十四の瞳映画村や、 分教場を訪ねていきます。
旅は、ただ前に進むだけでなく、「過去」と「記憶」にも寄り添いながら続いていきます。📚