📌本記事は、鳴門スカイライン周遊記の第3章。神社・顕彰碑・御霊命水など、観光地の外側にある記憶の風景を静かに辿る記録です。
前回のパート2はこちら↓

古代蓮の地と、予科練習生救助顕彰碑
展望台のトイレに助けられたあと、私は再び西へと車を走らせました。
次の目的地は、GoogleMapで見つけて気になっていた古代蓮の地。
この季節は蓮の姿はありませんでしたが、
道の奥の突き当りには【予科練習生救助顕彰碑】があるようです。
車を降りると、ちょうど犬の散歩をしていたお爺さんが話しかけてくれて

「あれ(北西に見える島)が小豆島、正面が姫路じゃ」
と教えてくれました。若干空は曇りに向けて雲が増えてきましたが
昼の晴れの影響でまだ遠くの島影がはっきり見えていて、ちょっとした幸運でした。


県民だけど顕彰碑に書いてあるような事があったのは知らなかったですね。
米軍戦闘機の空襲により帆船の練習生56名が戦死。救助されたのは17名。
当時は報道管制下にあり、この悲惨な出来事は長年埋没していたようです。
我が身の危険を顧みず、決死の覚悟で救助した鳴門市民の行為を後世に長く顕彰する。
ここは観光地と言える場所ではないけれど、
記録を残し、場所を清め、守り続けている地元の人たちがいる。
こうして足を伸ばして来れた事に感謝です。
嶋土神社-集会所の隣で静かに佇む
顕彰碑からスカイラインに戻る道すがら、次に向かったのは見えて気になった神社。
農道のような車1台分の道を通った先にある【嶋土神社】。


GoogleMapで調べるまでは、名前すら分からなかったけれど、
地域の集会所のそばにひっそりと佇む神社。
小さな神社でも、しっかりと清掃され、気配が保たれている。
神社は、どこでも地域の人達に大切にされている気がする。
小鳴門新橋──浮世絵と現実が交差する風景
嶋土神社から再び鳴門スカイラインへ戻り、小鳴門新橋へ。
橋の西側北には広めの待避所があり、そこに車を停めて歩いて向かうことに。
この小鳴門新橋は、二代目・歌川広重が「諸國六十八景 阿波 北泊小鳴門」として描いた景色の舞台でもあるらしい。
実際に橋のたもとには、その浮世絵が紹介されたパネルが設置されていた。


ここでも長く滞在して、ただ景色を眺めていた。
海、空、遠くの島々……静かに続いていく風景は、まるで時間の層をめくっているようだった。
堀越海峡のように、ただ見ているだけで満ちていくものがある。


この景色の前では「ソシャゲなんてやってる場合じゃない」──ふと、そんな言葉が心に浮かぶほど。
平日の昼間でも、小鳴門新橋を通るツーリングライダーたちの姿もちらほら。
バイクが風を切って走っていく。
いつかバイクに乗ってみたい。二輪免許とバイクと装備と維持費に耐える懐がまず先だけど。
朱の光輪寺でひと休み
小鳴門新橋から少しに西へ車を走らせていると、朱色が目に飛び込んでくる光輪寺が現れた。


駐車場にはベンチ、自動販売機もあり、ちょうどよい小休止の場所。
お賽銭を入れて、静かに参拝させていただいた。
ドライブの途中で、こうした静寂と彩りが共存する場所に出会えるのは嬉しい。
日出神社──潮の香と、地域に根ざした場
鳴門スカイラインに戻り、西に進んでたどり着いたのが【日出神社】。


ここは、かなり独特な雰囲気をまとった神社で、 車を降りた瞬間に気づいたのは──
潮の香り。
それまでも海峡の橋上など海に近い場所にいたのに、
海とは高さの距離があったから潮の香りをさほど感じませんでしたが
海の側の日出神社では潮の香りがはっきりと感じたのです。
鳥居の外側にある灯籠が、海の方角に向けて置かれていたのも印象的でした。


潮風の中での参拝は、どこか清められるような静けさがあり、
鳴門スカイラインにまた来る時は寄りたいと思いました。
御霊命水──湧き水と直感の感応
鳴門スカイラインを往復し、そのまま瀬戸内海側を西に進みます。
次はGoogleMapで見つけた【御霊命水】へ向かいました。


現地には小さな湧き水の出る場所があり、 手持ちのペットボトルの半分ほどを満たして一口。
殺菌処理などはされていない自然水ですが、一応そのまま飲んでみました。
あれから特に体調を崩すこともなく、問題ありませんでした。
むしろ知らずに心霊スポットを訪れていたので
霊験あらたかな湧き水が効いたかも。
そんな風に思わせてくれる場所でした。
次回につづく──八幡神社と豆乳ソフト、静かな締めくくりへ
次回は、旅の終わり。
北灘町に佇む神社を訪れ、 その後、地元の豆腐店【太子屋 北灘店】で味わった
豆乳ソフトや豆乳プリンの記録をお届けします。
神社の静けさと、大豆のやさしい甘さ──
この土地で感じた“やわらかな余韻”を抱えて、日帰り休日の旅は終わりに向かいます。🍃

