鳴門スカイライン周遊記②|堀越海峡と知らずに踏み込んだ廃墟の記憶

堀越海峡に流れ込む激しい潮流と、緑の岬に囲まれた静かな入り江。青と緑が溶け合う風景。
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本記事は、鳴門スカイライン周遊の第2章として、堀越海峡・廃墟スポット・島の記憶をめぐる一日を綴っています。

このあたりは、景色の良さだけでなく、少し荒れた施設や思わぬ発見も含めて印象に残るルートでした。のんびり回るには面白い反面、設備面は万全ではないので、そのつもりで立ち寄るほうがよさそうです。

パート1はこちら↓

目次

堀越海峡──ただ見ているだけで心が整う場所

鳴門スカイラインを東に抜け、美術館駐車場でUターンした私は、 今度は気になっていたスポットをひとつずつ丁寧に巡っていくことにしました。

まず立ち寄ったのが、堀越橋から見える堀越海峡

ここは派手な観光スポットというより、車を少し停めて景色と流れを眺めるのに向いている場所だと思います。
短時間でも満足しやすい反面、設備目的で寄る場所ではない印象でした。

堀越海峡北側
北側は穏やかな瀬戸内海が広がる

瀬戸内海側からウチノ海へと流れる海水は、 ただ見ているだけで飽きないほどに美しく、絶え間ない動きが心地良い

堀越橋の北側には、車を停められる道幅があります。
静かに車を停めて、橋の上まで歩いて眺めて、写真を撮って、また眺めて……

堀越海峡に流れ込むうねりと、周囲を囲む緑の岬。船がたゆたう静かな時間。
「ただ流れているだけなのに、目が離せなかった。」

この流れだけは、人間が荒らすことができない美しさだなと感じました。

GoogleMapで見た3年前の様子では、工事中で橋のたもとの公衆トイレもまだ荒れてなかった。
しかし今回訪れた時には、すでに落書きがあり荒れた印象。

この変化はわずか数年だったのかという驚きと、
それでも変わらない自然の流れとの対比が、静かに胸に残りました。

鳴門スカイラインの廃墟──知らずに踏み込んだ静寂

次に立ち寄ったのは、道路沿いにぽつんと現れた廃墟のような場所

看板には「瀬戸内海国立公園 鳴門」と書かれており、
道路を挟んで駐車場があり、道路を横切らず渡れる橋のような構造もありました。

この一体中央にあるトイレと思しき場所は入口がブロックで封鎖されていていました。

この時点で、休憩場所として期待して入ると少し戸惑うかもしれません。
見に行くなら、トイレや休憩は別の場所で済ませる前提のほうが安心です。

まず目に入ってくるのは道路からでも見える廃墟。

現在も構造を保ったまま残る廃墟A。自然に飲み込まれながら、静かに立ち尽くす。
「壊れる前の、最後の姿かもしれない。」

駐車場で休憩していた年配のライダーさんに少し話を聞いてみたところ、

「昔は隣にもう1つ建物があって、中には不法投棄も多かった。
 この正面の廃墟はトタンで囲ってたけど、今はほぼなくなってるね」

GoogleMapで4年前の写真を見ると、 確かに今は何もない場所に確かに建物が写っている。

私はこれまであまり廃墟というものに触れてこなかったけれど、
この場所には“文明の名残”と“自然の侵食”が共存するような、独特の美しさがありました。

この建物の風化すら美しく見える。(中は落書きされまくりだけど)

人間がいなくなった後に残る世界って、こんな感じなのかもしれない。

ホテルニュー鳴門──そこが心霊スポットだったとは

公園の広場西側にも廃墟があります。

駐車場から見える、かつてホテルだった廃墟の5階レストラン部分(左側の廃墟)
左側の廃墟がかつてホテルの5階だった部分。

中の天上木材的に燃えた感じ?
火事でもあったのでしょうか?
後日になって、この場所を調べてみると、 なんとこの廃墟、
実は心霊スポット「ホテルニュー鳴門」だったことが判明しました。
稲川淳二も取材しに来ていたようです。

知らずに立ち寄った時点では、あくまで静かな廃墟という印象でした。
逆に言えば、そうした話が苦手な人は、事前に深掘りしすぎないほうが変な先入観を持たずに済むかもしれません。

公園から見えたのは、どうやら5階にあたるレストラン部分で、
駐車場から入口があるので、宿泊者以外も利用可能にしていたと思わしき構造です。

景色の良い高台から食事を楽しめたのだろうなと思う反面、
私が訪れたときには、下へ続く階段が崩れていたため、ホテルとはまったく気づかず。

レストランと言ってもスペース的には夜景が綺麗だったバーのようにも見えて、
当時の雰囲気を少し想像するしかできませんでした。

さらに調べてみると、公園にあった坂道を降りていくと
そこに真のホテル入口があるとのこと。

駐車場からホテルの入口に向かう下り坂。
この下り坂の先にホテル1階入口があるらしい

坂道に今回は雑草あるし辞めとこってなった。
正直、雑草があるからもそうだけど、何となく降りたい雰囲気じゃなかったんですよね。
心霊スポットと知らなくても、無意識に良い感じがしなかったのかも?

レストラン部分から朽ちた外階段が見えましたが
あれが屋上への階段で、過去には屋上から飛び降りた人もいるとか……

崩れている外階段。かつて屋上へとつながっていたはずの構造が残されている。
「登るためではなく、朽ちるために残った階段。」

知らずに訪れたからこそ、ただ静かな廃墟として向き合えた。
事前に知っていたら、感覚そのものが“恐怖寄り”にチューニングされていたと思います。
怖いの得意ではないので。

心霊スポットと知った今は、もう行くことはないでしょう。
けれど、知らずに感じた静けさと、廃れたものの中に宿る美しさは、 確かに私の中に刻まれました。

思わぬ腹痛と、展望台のトイレへの感謝

廃墟を見終えたあと、車に戻る時に腹痛に見舞われました。

昼に食べたつけ麺のボリュームと、にんにくの効果が出てきたのかもしれません。

しかし、この廃墟駐車場には使えるトイレが一切存在せず──

ブロックで入口が封鎖された、使用不能のトイレ。朽ちたまま放置されている。
落書きだらけ、管理者不在のトイレだからこそ封鎖しているのだろう

そう、かつてのトイレはブロック封鎖されて使用不可なので!
仮に封鎖されてなくても汚くてトイレットペーパーとか備品もないはずだから使わなかったでしょう。

幸いにも、少し西に戻れば展望台のトイレがあるのを思い出しました。
急いで車を走らせて再訪。展望台トイレ、本当にありがとう……。

この周辺を回るなら、使えるトイレの場所は先に意識しておいたほうがいいです。
景色や雰囲気は良くても、設備面は場所によってかなり差があると感じました。

出先での腹痛こそが一番の試練かもしれません。

※この記事は訪問時点の内容をもとに書いています。
現地の状態や立ち入りやすさ、設備の使用可否は変わることがあるため、訪問前には最新の状況をご自身でもご確認ください。

次回へ──神社と湧き水、そして豆腐屋さんとの出会い

次の記事では、鳴門の島内に点在する神社と碑の記憶、 そして地元の豆腐店「太子屋」で味わった豆乳ソフトのことなど、 旅の後半をお届けいたします。

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この記事を書いた人

徳島在住。徳島を拠点に、四国で実際に訪れた場所や食べた店を、体験ベースで記録している個人ブログ「カゼモノ帖」を運営しています。

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