小豆島一周車中泊旅日記 13|吉田ダムの巨像と、静けさに包まれた福田海岸

吉田ダムを見下ろす高台からの眺め。静かな湖面と山々が広がり、福田海岸へと続く道の先に自然の静寂が広がる。
  • URLをコピーしました!

恵門不動の駐車場に戻るころ、時刻はすでに13時を過ぎていた。

次に目指すのは、小豆島の東部にある「吉田ダム」。
本当なら、この時間には寒霞渓のレストハウスに立ち寄り、
名物の小豆島バーガーを昼食に──という計画だったのだけれど…
思った以上に道中を堪能して時間がかかってしまった。
バーガーの営業時間15時までには到底間に合わなさそうだった。

今回、小豆島を一周する旅のなかで唯一訪れていないのが、寒霞渓。
ここは、次回の再訪の楽しみに取っておこうと思う。

予定通りにいかない旅こそ、記憶に残るもの。
その瞬間の流れに身を任せ、吉田ダムへとハンドルを切った。

↓前回の記事はこちら

目次

島の“もうひとつの顔”──石の島を走る

北東部を走っていると、小豆島が「石の島」と呼ばれる理由が肌でわかってくる。
山肌が無造作に削り取られ、むき出しになった山の姿。
点在する石切場が、自然と産業の交錯を物語る。

観光スポットとして名の知れたエンジェルロードやオリーブ公園、寒霞渓だけでは
このエリアには観光客が通ることはないかもしれない。

こうした光景を味わうためにも、夜ではなく明るい時間帯に走るのが一番。
日が暮れてからはオリーブ公園に戻っていたのも、このためです。

最北端の展望所の案内板

運転中だったので切り崩された山たちの写真はありません。
今思うと、駐車して撮っても良かったかなって。
変わりに北東部の展望台からの写真を載せておきます。

吉田ダムと球体オブジェ&ダムカード

道を間違えて、ダムの下の駐車場に行ってしまったり
道中にあった神社に寄ったりしていたが、ようやく辿り着いた吉田ダム。

駐車場に車を停めると、まず目に入ったのは 水をまといながら静かに回転する球体のオブジェ。
なぜ置かれているかはわからないが、これがあると駐車場にも遊び心を感じる。

写真ではわからないが、クルクルと球体が回っていた

駐車場近くの建物の中には入れなかったが
建物の入り口脇に置かれていたのはダムカードの配布机。

名前の記入は不要で、都道府県だけを記入する簡易な用紙が置かれている。
カードが必要な人が自由に持ち帰るスタイルのようだ。

自分は収集家ではないので受け取らなかった。
ただ記帳を見ると、東京から来た方が数日前に立ち寄っている。

全体としては、ここ一週間で5組ほどの訪問記録。
観光ツアーに組み込まれる場所ではない分、
一人旅やマイペースな観光客の静かな足音が残っていた。

展望台から見えた“もう一つの海”

吉田ダムで最も印象的だったのは、 球体のオブジェでも、カードでもない。

ダム奥の橋を渡った先に佇む、巨大な像。

なぜダムにこのような巨像が…

その像は、果たしてこれも小豆島アートの1つなのだろうか。
正体は分からないまま、その奥に続く階段へと足を進めた。

GoogleMapによれば、展望台があるらしい。
せっかく来たのだから登ってみようと思ったのだ。

そして辿り着いた展望台からの眺め──

山の岩肌がすぐ近くに迫り、東側には海が見えた。
「海が見えるダム」というのは、なかなかに珍しいらしい。

展望台から見たダムと海側の景色

周囲には誰もおらず、30分ほどは吉田ダムでぼんやりしていたと思う。
音もなく、ただ風だけが動いていた。

福田海岸──もう一つのエンジェルロード

吉田ダムを後にし、小豆島の東側をさらに南下。

途中、「さぬき百景」の一つにも選ばれている福田海岸に立ち寄る。

福田海岸の道は通れないけれども、いつでも道がありそう

エンジェルロードや希望の道のように天然ではないけれど、 ここにも小島へと続く一本道がある。

誰もいない浜辺と、静かに伸びる砂の道。
今回の旅で出会った“もう一つのエンジェルロード”とも言える景色だった。
エンジェルロードも希望の道も今回は時間が合わずに道がなかったから。

ひっそりと、しかし確かに心に残る場所。

そうして旅は、小豆島一周を終えた先の静けさへと続いていく──

⛰️ 次回へつづく

しし垣、生まれるコアストーン、家紋入りの石たち──
ただの岩場と思っていた場所が、解説ひとつで“時間の蓄積”として立ち上がってくる。
思っていた以上に濃密だった天狗丁場の散策。
まだまだ旅の記録に突如刻まれる“静かな記憶”が待っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

考えたことや学んだことを、静かにまとめています。
派手な発信よりも、自分なりの気づきを大切に。
ブログは、思考の整理と記録のための場所です。

目次