石と静寂に包まれる“天狗丁場”──知られざる巨岩の景勝地へ
旅の終盤、私は小豆島の北東部・福田海岸から車を南へと走らせました。
目指すは「天狗丁場(てんぐちょうば)」─GoogleMapで目をつけていた場所。
静かに時を刻む巨岩と石工の遺構が残された場所です。
もともとは30分ほどで見終わるかと思っていました。
けれど、ここは想像以上に見どころが多く、結果的に1時間たっぷりと滞在することになりました。
↓前回の記事はこちら

天狗丁場、静かに迎えてくれる石の遺産
車を停めて坂道を歩き、公衆トイレの道を奥に行ったところが入口です。
最初はわからなくて、道路沿いを歩いて入口を探してしまいました。

入口には雨対策にクリアケースに入ったパンフレットが用意されていました。
こういうさりげない配慮に、その場所を守り続ける人の想いを感じます。
道なりに進むと、目に飛び込んでくるのがこの天狗岩。

写真では到底伝わらない、その大きさ。
とはいえ岩だけの写真は対比がないので
人と一緒に写すとスケール感が分かりやすいかもしれません。

なんと「おすすめの撮影ポイント」まで用意されていました。
Photo Spotとして提示されているだけ説明はなし
ただ、この場所からこう撮ろうと示していることだけはわかる
観光地としては控えめながらしっかりと“記録を残す場所”のような空気が漂います。
🧱 石と暮らしの記憶「しし垣」と家紋の岩
天狗岩の手前には「しし垣(ししがき)」と呼ばれる石垣がありました。
これはイノシシなどの侵入を防ぐためのもので、生活と石が結びついていた証のように思えます。

天狗丁場から先に進むと、「生まれるコアストーン」がありました。

これも解説がなかったら素通りしていたでしょう。
江洞窟の生まれる大岩はこれの大きい版なのでしょう。
先に進むと「家紋入りの石」といった、興味深い展示がいくつも。
家紋用に石を用意していたのに使われることがなかったということでしょうか

どれも解説がなければ、何も気付かず「石いっぱいだなー」で終わってた。
言葉が加わることで、石たちが語り出す──そんな感覚になりました。
🌀 巨石の隙間、作業跡が語るもの
小天狗岩を降りてその下部には、人ひとりがくぐれるほどの狭い隙間がありました。
通り抜けると、

この上部に見られる作業跡、実は本来つかないはずの場所だとか。
重力を使って上から切り出すのが通常のため、作業痕は通常上から付けられるもの。
それが下から上に付けられた作業痕ということは
「どこかから落ちて、ここに落ち着いた岩」かもしれないとのこと。
こうした細やかな発見が、天狗丁場の面白さだと感じます。
🚻 静寂の中にある、石と過ごす時間

入口付近には公衆トイレと自販機スペース。
団体客用の広い駐車場というより、静かに過ごす個人旅向けの場所という印象でした。
この日、1時間滞在しても他の観光客には一人も出会わず。
風も音も、石と向き合う自分の時間だけがそこにありました。
🍲 最後の腹ごしらえは「肉うどん」
16時を過ぎ、次に寒霞渓へ行くにはロープウェイの終わり時間がネックに。
18:40のヤドンフェリーにも乗りたい…
そう考えて、今回は本当に寒霞渓を見送ることにしました。
帰り道の途中、「手打ちうどん すえ宏」さんに立ち寄り、オリーブ牛肉うどんを注文。

実は「オリーブうどん+牛肉」かと勝手に思っていたのですが
どうやらオリーブ牛の肉うどんだったようで少し勘違い。
ブランド牛は少々高価になりましたが
Eedee!クーポンで930円 → 870円に。
ごちそうさまでした。
次回につづく──お土産と八幡神社、そしてヤドンフェリーで小豆島に別れを
旅の締めくくりに向けて、
土庄港でのお土産選びと、最後の訪問地となる「伊喜末八幡神社」へ。
どんぐりと干支のフィギュアが並ぶ、遊び心ある神社の静けさ。
そして、ヤドンフェリーに乗って、高松へと戻る“帰路の余韻”を記録します。
フェリーに車を乗せ、一周したからこそ見えてきた小豆島の全体像。
この旅の終わりは、次の旅への入口なのかもしれません。🍃
