訪問したのは2026年5月27日(水)で天気は雨。
小松島新港南岸壁で一般公開された掃海艇「はつしま」を、初めて見学してきた。
この日は平日で、見学者は少なめだった。
乗艇からパンフレットを受け取るまでの艦内見学は約25分。
駐車、受付、見学、物販まで含めると、自分の場合は全体で約40分だった。
手荷物検査、乗艇、艦橋の席、物販まで、待った記憶はほとんどない。
雨の日に行くなら、傘だけよりもレインコートと滑りにくい靴の方が現実的だと思う。
自分は車の中で上下レインコートを着て、防水の靴で向かった。
初めての艦艇一般公開だったので、どこまで見られるのかも、
どれくらい時間がかかるのかもよく分かっていなかった。
小松島で掃海艇「はつしま」が一般公開されると知ったのは、
SNSで「平日だから行けない」と書いている人を見かけたからだ。
こちらは週末勤務なので、むしろ平日の方が動きやすい。せっかくなら行ってみようと思った。

最初は、珍しい船の中を見られるイベントくらいの気持ちだった。
けれど、見学の途中で「機雷って浮くんですか」と聞いたところから、
掃海艇の仕事が自分の知っている瀬戸内海とつながっていった。
雨の平日、初めての掃海艇一般公開へ
駐車場はkocolo周辺が案内されていて、自分は西側を利用した。
到着は11時30分ごろ。雨の平日だったこともあり、会場周辺は落ち着いていた。
受付までは傘を使えたが、艦内に入ると階段や通路が狭く、
傘を持ったまま動く前提では考えない方がよい。
雨の日は、受付まで傘を使うとしても、乗艇後はレインコート前提の方が動きやすい。
受付ではバッグを開けて手荷物検査を受けた。
撮影してよいかも確認すると、この日は基本大丈夫という返答だった。
撮影したい場合は、最初に確認しておくと安心できる。
艦内は狭いけれど、見学できる範囲は思ったより広かった
後部から乗艇すると、まず掃海装備や説明板がある甲板へ出た。
雨で一部の説明ボードは少し見づらくなっていたが、
ここからすでに普段入れない場所に足を踏み入れている感じがあった。
右舷側を前方へ進むと、遠隔20mm機関砲が近くにあった。
真正面から見られる距離で、艦艇一般公開らしい見た目の強さがある。

そのまま進んでいくと、再圧タンクも見られた。
緊急時にはタンクごと病院へ運べて、医師も中に入れるという説明を聞いた。
最初は大きな丸い設備として見ていたが、話を聞くと印象が変わった。
掃海艇には、潜水作業と安全管理のための装備も載っている。

ここで見学は終わりかと思ったら、まだ上があった。
艦橋へ向かう階段だった。
艦橋では席に座ったり、双眼鏡をのぞいたりできた。
前方中央にはコンパスがあり、周囲では他の見学者とスタッフが話していた。
起床時に流すというラッパも、その場で生演奏を聞かせてもらった。

艦橋に入る前に、外の景色をもう少し見ておけばよかったとは少し思った。
見学動線はそのまま下へ進む流れだったので、撮りたい景色があるなら、艦橋に入る前に見ておく方がよさそうだ。
艦内の階段や通路は、普通の建物とは違う。
階段にはまるで扉のようなしっかりした蓋があり、通路も狭い。
ただ、手すりはあるので、普通に歩ける人ならつかまりながらゆっくり進めると思う。
公式の注意事項にもスカートやハイヒール以外の服装で、という案内があったが、
実際に歩いてみるとその理由はよく分かる。

下階では、潜水装備も見ることができた。
説明では約30kg。水中では浮力があるとはいえ、陸上ではかなり重いという話だった。
実際に持ったわけではないが、並んだ装備を見るだけでも、
掃海の仕事が船の上だけで完結しているわけではないことが伝わってくる。

冷蔵庫と缶コーヒーに、現役の仕事場を感じた
艦内で意外に印象に残ったのは、装備そのものより生活感のある場所だった。
下階の食堂や作業スペースのような場所には、冷蔵庫があり、電子レンジもあった。
飲料用ケースには缶コーヒーが入っていた。

掃海装備や機関砲は、たしかに艦艇見学らしい見どころだ。
けれど、冷蔵庫や電子レンジ、通路近くの缶コーヒーを見ると、
ここが展示施設ではなく、実際に人が働く場所だと分かる。
派手な装備とは別の意味で、現役の艦内を見た実感が残った。
士官室近くの通路扉には、「確実に閉鎖せよ」という注意書きがあった。
閉め忘れると発電機室の熱が入り込み、士官室が暑くなるという内容だった。

この日の見学動線では扉が開いていたが、普段の艦内では切実な注意なのだろう。
こういう現場の言葉が見えるところにも、展示施設ではない実感があった。
「機雷って浮くんですか」と聞いて、瀬戸内海の見え方が変わった
見学中、掃海の方法についての説明ボードはいくつかの場所に分かれて置かれていた。
感応掃海、係維掃海、S-10の説明も、それぞれ別の場面で目にしたものだ。
見た時点では、掃海艇の装備や仕組みを説明する情報として読んでいた。
音や磁気で機雷に艦船が通過したように感知させる方法があること、
係維索を切断して処分する方法があること。
そういう説明として、一つずつ見ていた。

その後、機雷について話を聞く場面があった。
そこで、ふと気になって聞いた。
機雷って浮いてるんですか、と。
説明では、機雷には浮くものも浮かないものもあり、浮いているものは少ないとのことだった。
戦争時の機雷がまだたくさん残っていて、
掃海艇が今も年3回くらいは瀬戸内海に出ている、という話も聞いた。
そう考えると、掃海艇の仕事は、目に見える危険物をただ拾うものではない。
見えにくいもの、残っているもの、簡単には分からないものを探して処理する仕事なのだと分かってくる。
見学ルートの最後の方には、黄色い機雷掃討具S-10もあった。
機雷が艦船を感知しない距離から処分するための装備として説明されていた。

各所で見た説明ボードや装備は、見た瞬間には情報として受け取っていた。
けれど、機雷について質問して、瀬戸内海に今も掃海艇が出ていると聞いた後で、
感応掃海や係維掃海、S-10の説明が単なる装備紹介ではなくなった。
それまでは、珍しい装備を見ている感覚が強かった。
けれど、機雷の話を聞いた後では、それぞれの装備が航路を守るための具体的な方法として見えてきた。
直島、小豆島、大久野島。これまで何度か瀬戸内海をフェリーで渡ってきた。
安全に航路を通れることを、深く考えたことはあまりなかった。
けれど、その安全の裏には、掃海艇のような見えない仕事がある。
予定外の物販と、掃海屋はつしまの余韻
下艇後、パンフレット、うちわ、缶バッジを受け取った。
さらに、現地で初めて物販があることを知った。

せっかくなので、記念品をいくつか買った。
支払いは現金で、売り場では電卓で計算していた。
物販があるかどうかはその時によるだろうが、
こういうイベントへ行くなら少し現金を持っておくと安心だと思う。

配布された乗艇記念の紙には、「掃海屋」という言葉が入っていた。
見学前なら、雰囲気のある言葉として受け取ったと思う。
けれど、機雷の話、潜水装備、S-10、そして艦内の生活感を見た後では、かなり具体的に残る言葉になった。
初めての艦艇一般公開は、珍しい船を見た体験だけでは終わらなかった。
次に瀬戸内海でフェリーに乗る時、航路の安全を支える仕事として、掃海屋はつしまを思い出すと思う。
